2002/07/18 | | |
---|
| 目覚める前には夢を見ていた。 僕はいつもいつも、変な夢を見る。 もし僕の友人が本当のことを打ち明けてくれているなら、僕が人と違うところは 唯一、毎晩毎晩はっきりとした夢を見て、それを覚えているということだろう。
僕は子供で、友人たちも子供だった。 僕らはあまりにも遠浅の夏の海で遊んでいた。
僕にはその海で好きになった少女がいたけれど、 僕はその少女とは縁がなかった。
僕は友達に愛のかたちについての選択を迫られた。前にもそんなことがあったとも思う。 夢の中であったのか、現実であったのか。 そしてそのように思い出したのは夢の中でなのか、それとも目覚めてからか。 とにかくその結果、僕はその子を誘ってみることになった。
その子は別にかわいい訳ではなかった。 現実のどの女性にも似ていなかったし、 今までに出合った事のない性格だった。 そして、聞いたことのない喋り方でもあった。
僕はうすうす夢だと気付いていたけれど、あえて紳士的に話し掛けようとした。 しかし、彼女に一歩近づくごと、世界が暗転していった。 僕は危なげにして、進むのをためらった。
すると彼女の方が僕に気付いて、どんどんやってきた。 世界は暗くなり、暗雲は渦を巻いて、彼女の顔には気味の悪い目だけが 僕を睨んでいる。
僕は驚いて起きてしまった。
今日は友人のところに行った。 僕が無闇に核心に迫ろうとしたので、少し戸惑わせてしまった。 昔の景色、いくつかの駅、僕が僕になる前のこと、そして、黒い穴のことを話した。 友人はそれらを丁寧に捉え、意見を述べた。
友人は僕を祝わないことを僕に言った。軽い食事をして別れた。 |
|