2006/04/09 10Ribbon of the demon(2)


我に返った僕は、何人かの友人とレストランにいた。

そして、万能感などとっくに粉々になっている、ユメの無い娘が僕に向かって喋っていた。
「脳はモノでしょ。モノが意識を作っているのよ?私達の心はモノよ。」
「私達がモノを認識するときも、コトを認識するときも、それは脳というモノが作っているのよ。」
僕はほっぺたをつねってやりたくなったけれど、もちろんしなかった。
僕は迎合して、物質の最小単位と意思と脳内パルスの関係、それから十字路仮説について話した。
そして、運ばれてきたどうでもいい料理を評価した。どうでもいい紅茶を評価した。
どうでもいいお金儲けのこと、どうでもいい政治のこと、どうでもいいニートのことについて話し合った。
僕は話をしているうち、彼女の下の名前を忘れてしまったことに気づいていた。

どうでもいい店を出るとき、別の者が、僕の服装が見慣れないと笑ったので、
暑くなってきたから、クールビズだと言っておいた。

レストランの入り口付近の塀の上に、子供かカラスが遊んで置いたかもしれない石が3つ置いてあった。
面白い形をしていたので、僕は左から、ジェニファー、ケイト、ミシェルと名づけた。



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