2006/09/07 | 彼は人間であるか | |
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| 彼は人間であるか。 我々が抽象的に分類する人間とは何か。 彼は日本人であるか。 我々が抽象的に分類する日本人とは何か。
本当はそれそのもの実存が目の前にあるだけではないか。
日本と中国は、日本と韓国は仲良くすべきであるか。 ~ 互いに尊敬すべきであるか?
それはそれを言う者の方こそが、 血に抽象的な国境線を引いてしまっているではないか。
彼は何人(なにじん)なのだろうか。 本当は、目の前に1人の友人が立っているだけではないか。
今日、何も無い僕の庭に、わざわざ停まって鳴いてくれるのは、 鳥であるか。 本当は、目の前に1人の友人が立っているだけではないか。
それでも我々は抽象的な概念を対立させる種々の党派に所属をするか。 何かを信じて、対立の片側にしか立つことのできない環境に、 自らを置くことをするか。
我々は何かを尊敬するか。 それは、尊敬の対象に自分との方向性の共通点を見つけ、 実は自己を肯定しているだけではないか。 本来は、他者とは尊敬できるものとできないもので、 分類をするようなものではなく、ただ自らの人生において、 感謝の対象となり得るものなのではないか。
我々の毎日とは、 我々が独りではないと思い知らせてくれる、 分類不可能な感謝の対象が、 目の前に立つことの連続なのではないか。
和して同せず。他者との共存。近代の終わり。 有限の領土の上で、我々は空を見上げている。 |
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