2004/07/10 | 共時性 | |
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| ちょっとしたことが原因で、「共時性」について調べていました。
「共時性」は、はっきり言ってオカルトです。科学的裏づけも無いし、
基本的には全然信じていません。
共時性とは、一見因果関係の認められない2つにおける一致のことを言います。
たとえば、双子の兄弟がいて、片方が上京し、そこで交通事故に遭ったら、
田舎にいる方もなぜか交通事故に遭うようなことです。
そういった現象が起きると、その現象を説明する言葉として、
「あ、共時性だ」とか言って盛り上がるだけです。
しかし、ユングがこういったことを「共時性」として名づけたことは非常に興味深いことです。
さて、話は変わりますが、もし、この世界に時間が永遠にあるのならば、過去が無限にあるわけであり、
その時間のどの瞬間を観測しても、全ての問題は解決済み、全ての反応は反応済みでなければおかしいと思います。
だから、論理的にどこかの時点で、因果(時間)が収束し再び開始されなければおかしいと言うことになります。 (脈動宇宙)
そしてもし、時間がある前は時間がなかったのなら、時間による因果関係にとらわれない
必然のしくみが必要になってくると思います。というより時間そのものがあることに対する理由が必要です。
ということは以前の日記にも書きましたね。僕はしつこいです。
時間がある前は無かったのならば、共時性に似たものにより、時間にとらわれず世界を「有」とする「理」が
あったはずだと思います。「全体」が「開始となる」ための「理」とでも呼んでおきます。
そこは人間にとって未だ解明されていない知識の闇であって、そういうところに宗教的な「神」ははびこりがちです。
「神」は「不明」に住みます。科学が進歩してきて「不明」が狭くなりましたが、僕らが述べる全ての理由の根源
(即ち宇宙の始まり)は、未だ「不明」であり、理由無き答え(宗教)が、個人の精神の弱いところをついて
利害関係を一致させ、はびこるわけです。
しかし、無宗教の人にとっても、全ての理由を突き詰めていけば究極の過去に行き着き、そこは不明であり、
不明なのに不明の上に理論を展開していることになります。実は宗教と同じで、同じ穴のムジナなのです。
僕はこの、つきつめたときに「あたりまえじゃないか」として、それ以上突き詰めようとしなくなる、盲目的な見解を、
root opinion (根本的見解)と呼んでいます。(オリ単:6/8) その人に対しての全ての質問に対する答えです。
てなわけで、宗教家に、じゃあ神がいないって証明してみろと言われ、うっ、と言葉に詰まるのです。
そこで、証明できなければ寄付しなさいってことに。。。
さて、不明の不安を除去する為に、この宇宙の捉え方を、全体に対しての自分なのか、自分に対しての
全体なのかと言う風に考えてみたとき、後者にコギト論証が生まれます。
我疑う故に我あり。この世界が本当は存在しない夢であっても、
それは一つの世界なのであって、傍若無人になったり、自暴自棄になる理由はどこにもない。
というようなものです。その「世界の原点」に、人同士の共通の定義を載せることで社会を作る。
但しフロイトなどにより「透明な主体」(非オリ単)が否定されたので、
コギト論証は有効ではないとされてしまいました。でも、騙されているなら騙され居るなりに、
その世界はあると思います。僕が不透明な理性を持ち、騙されていることが即ち世界である。
日々の生活なんて自己欺瞞でかなりのことを自分で誤魔化しているのは確かで、
それがすなわち僕が生きていると言うことです。不透明な理性でも、それが即ち世界といえます。
この意識と世界は何か。我騙されるゆえに我有り。
それにしても、別の理由から、実は、デカルトは、僕の世界への疑いを晴らしてくれるとは思っていません。
それはつまり 5/30 の問題なのですが、それはまた今度。
つまり、自由主義的宇宙なのか。社会主義的宇宙なのか。でもビッグバンとか、科学的に考えると後者です。
世界の法則は階層構造になっていて、個は全により制限される。物質が集まって全体なのではなく、
全体から切り分けられて、物質が出来る。
余談ですが、音楽室の SeparateFromTheUniverse.mp3 もそんな印象から作った曲です。
全てが解明されて科学となったとき、その「全体」が「開始となる」ための「理」を神と呼ぶかどうか。
もしその「理」がすごくつまらない理由で、神が住むべきものでないということが分かったら、
今度はいわゆる「透明な主体」への否定を「神」と呼ぶかもしれません。
でも、人間の仕組みについても解明されれば、神の居場所は完全に消滅します。
少なくとも、人間の脳を、神秘的なものとする時代は終わりかけています。
そして人々の不安が生み出したデカルトも、必要無くなるのでしょう。
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