2005/02/24 14NOBITA


今日、なんとなくTVをつけると、

1、会社に不当に左遷されて30年間会社と闘い続け、今回勝訴した人と、

2、株式によって買収し、フジテレビを支配したいと発言したライブドアの社長と、

3、45歳の誕生日を迎えた皇太子さまの会見

についてのニュースが放映されていました。



さて、どれだけそのアツマリ※がお金を生み出しても、そして、もしそのアツマリが買収されても、

そのアツマリから要素(人)がいなくなってしまったら、瞬時にアツマリは崩壊するわけです。

そして、ヒエラルキカル※なアツマリが結合状態を保つ為に、利害の一致や見解の一致はむしろ弱い力であり、

要素間、特に上層の要素と下層の要素におけるスピリチュアル※な信頼関係こそが、強い力となると考えています。



※ アツマリ:集合体  ※ スピリチュアル:精神的  ※ ヒエラルキカル:階層構造的



要素が作り上げるあらゆる理想的なアツマリは、特定の誰によっても支配されないでしょう。

もし、株式によって支配を行っても、そのアツマリの要素が去っていくことになるだけでしょう。

その時、去りたくても去れない原因があります。例えばその一つが、再就職についての不安でしょう。

下層の要素は、リストラの恐怖により、上層の要素からの命令が理不尽に過酷なものであっても、大抵は承諾するしかないでしょう。我々の国がいくら自由だと言っても、実際の毎日はそのような社会主義的な不安の中にあるようです。

より短いスパンの選択において、理不尽を避けて、自由があるのは、経営者以上の立場の者か、もしくはフリーターの者でしょう。もちろん、その為にはリスクを背負わなければならないですが。


我々が自由であるかどうかは、アツマリに自由に所属したり抜けたり出来ているかで量ることも出来ると思います。

多くのフリーターの中には、自由と責任の原点に立ち「辞める勇気」を身に付けた人がいると感じます。
(辞めない勇気ももちろんあると思いますが)

だからフリーターをただのサボりがちで不真面目な人と決めてかかるのは良くないでしょう。

そういう人は多分、様々な会社を見てみたいと、早期に派遣社員に登録するようになると思います。

理不尽だと思い、そしてそれを我慢するだけの報酬をもらっていないと感じれば、辞めるのは当然でしょう。

そんな、自然現象とも言えるほど当たり前のことに対して怒ってもしょうがないでしょう。

ましてやそんな人を、「労働は国民の義務だから」と言って働かせるのは、かなり危険なような気がします。



さて、不正を暴き、会社と闘ったお父さん。きっと息子さんも、正義を貫く人間に成長するでしょう。決して無駄なことではないと思います。しかし、30年間理不尽な労働に耐える。すごいです。僕は30年という時間が想像できません。

30年前というと、ちょうど僕がまだ、母親が食べる鶏のエサを育てる肥料だった頃です。





この前まで球団の問題でヒーロー扱いされていたライブドアの社長は、フジテレビの株を取得し、「フジテレビを支配するため」と発言しました。(その後、つまりマスコミを使ってPRする為には、「いい人」という印象が大事だと気付き、慌てて「仲良くしたい」と言っているようです。)

そして、その著書にも「お金があれば何でも買える」と書いているようです。

これは、僕の見解とは大きく違います。僕は前の日記で、「お金で買えるのは、少しのパンだけだ。」と書きました。

僕は逆に、お金で買えないものが多すぎると思っています。

つまり、お金はある程度の社会的生活を満たすために必要ですが、特に僕等の幸せの核心を突くような、
それ以上のものは与えてくれません。

これはよく言われていることで、皆さんもきっと、知っていることだと思います。

しかし、成長の過程で、特に唯物的なもの以外の幸福に触れていないと、その存在にすら、気付かないのかもしれません。触れたことが無いものについて、知らないのは当然です。これは今後我が国において、大きく懸念されることだと思います。


六本木ヒルズは解体したほうがいいですね。そういう者が集まっても、いいことはありませんからね。



皇太子様は、45歳誕生日の会見にて、「人と人との結び付きの大切さ」について強調し、

スウェーデンの教科書から引用して話していました。




 批判ばかりされた 子どもは 非難することを おぼえる

 殴られて大きくなった 子どもは 力にたよることを おぼえる

 笑いものにされた 子どもは ものを言わずにいることを おぼえる

 皮肉にさらされた 子どもは 鈍い良心の もちぬしとなる



 しかし、激励をうけた 子どもは 自信をおぼえる

 寛容にであった 子どもは 忍耐を おぼえる

 賞賛をうけた 子どもは 評価することを おぼえる

 フェアプレーを経験した 子どもは 公正を おぼえる

 友情を知る 子どもは 親切を おぼえる

 安心を経験した 子どもは 信頼を おぼえる

 可愛がられ 抱きしめられた 子どもは 世界中の愛情を 感じとることを おぼえる




これだけで、十分に素晴らしいですが、

僕は、更に、この詩の前半のようなことを体験しても、人の心の痛みをおぼえることができ、

その上に後半も体験すれば、前半のような暗闇から、人々を救い出すことをおぼえることができると思います。

批判され、殴られ、笑いものにされ、皮肉にさらされた子どもこそ、本当の愛を知る可能性を秘めていると思います。

自信を持って生きて欲しいと思います。



皇太子様だって、今回、逆境と孤独にさらされたから、愛を見い出したのでしょう?



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