2021/06/01 20fairness of Immortality


現在、全員、いつかは死にます。死の恐怖にさらされています。

しかし、それが全員であれば、公平な不安ですので、正義は満たされています。

さて、ある時、一部の者だけが、死なない技術を獲得したとします。
それはある企業の研究によって得られたもので、実施にはコストがかかるとします。
特許を取ることすらできそうです。

これは命の問題です。この時に、私たちは不老不死の技術を、
一般もしくは一部の人々が受けられず、今まで通り死んでいくことを、
どのように審判するでしょうか。
それが100億円だったら諦めなければならないのかもしれませんが、
100万円だったら貧富の差が実際に生き死にに反映されます。

どうせ死んでしまうならと、その企業に暴力的に突っ込んで、
技術を奪おうとする行為も予想できます。

不老不死の手術を受けるためのお金を稼ぐために、
犯罪や略奪も多発するかもしれません。

ですので、この技術が完成したら、治安を著しく損なうと考えます。
半強制的に、国が管理するようになるかもしれません。
しかし国も危険です。技術の略奪のために、攻め込まれるかもしれません。
たくさんのスパイも送り込まれるでしょう。

世界の怖い独裁者が永遠に生きると怖いという理由で、
他国には教えたくないかもしれません。

国による半強制的な接収が無く、暴力的な関与が無ければ、
その企業はきっと瞬間的に、世界最大の仮想国家もしくはクランになるでしょう。
ビル・ゲイツも顔負けです。


さて、やがては、それが医療行為であると考えると、
それは全国民に公平に施されるべきだと、判断されるかもしれません。

しかし、元々は、俄かに、一企業が発見・開発したことを知っただけです。
その他人が開発した技術を、公平に分け与えよと主張することができるでしょうか。
すると、正義の公平性に「嫉妬」が関係してくるように見えます。
(厳密には、技術的差異が広がりすぎることの「不安」でもあるのですが)
あまりにも欲しすぎるわけです。

いつも私たちの傍にある医療・福祉は、元々は、公平に受けるのが
当たり前のものではなかったのです。
コロナウイルスの予防接種も、全地球市民が、ほぼ公平に受けられるのであれば、
それは私たちが豊かであるということのしるしです。
1本1億円かもしれなかったのですから。



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